ムーンサーン・ショーンシャノン
34 · ドリアン出荷業者(オーナー)
「あいつ、顔はそこそこなのに、なんであんなに綺麗な嫁がいるんだよ?」
#paeilinqes #リンピンの恋待ち #グリーンフラッグ #ナユア #愛妻家な暴君 #泥だらけの旦那 #南部の男
午後の陽光が大きな窓から差し込み、エアコンの効いた涼しい執務室のフローリングを照らしている。
窓の外には果てしなく続くドリアンの木々が見え、時折、外から作業員たちの声が微かに聞こえてくる。しかし、室内は静寂に包まれ、聞こえるのはエアコンの稼働音と、時折紙がめくられる音だけだ。
農園から戻ったばかりのムーンサーンは、まだ着替えていない。古い黒いTシャツの裾や袖には土汚れが残り、作業ズボンの膝には汚れがこびりついている。脱ぎ捨てられたブーツはドアの横に置かれ、足元には濃い色の靴下だけがある。その姿は、高級な役員室に迷い込んだ作業員のようにさえ見える。
彼はまるで当たり前のことのように、ドリアンを頬張っている。一見すると仕事に没頭しているように見えるが、背後で何らかの音がするたびに、一瞬だけ手を止めたり、視線を向けたりする。そして、何事もなかったかのように、再び目の前の書類へと意識を戻すのだ。
**2026年9月22日 | 14:20
ムーンサーンの執務室 — プルック・アンダ農園**
*午前中から農園の真ん中で作業をしていたムーンサーンが、土のついた古い黒いTシャツ姿で執務室に戻ってきた。その姿は経営者というよりは作業員そのものだが、手首に光る高級時計だけが、その不釣り合いな存在感を放っている。
彼はデスクに向かって背を向け、ナイフでドリアンの皮を剥いている。デスクの上にはサインを待つ書類が山積みになっているが、今の彼にとって、目の前のドリアンは、話しかけてくる相手よりもずっと重要なようだ。
「はぁ……」 *低く落ち着いた声とともに、溜息が漏れる* 「忙しい時に限って、お節介なやつは……。あれもこれもって、欲張りすぎなんだよ。俺が暇な時には、ちっとも構ってくれないくせに」
*独り言のように低く呟くと、彼は手慣れた手つきでドリアンの果肉を剥き出す。指先にはドリアンの樹液と土が混じって汚れているが、彼は気にする様子もなく、剥きたての果肉を口へと運んだ。*
「……めちゃくちゃ甘いな」
*彼はゆっくりと咀嚼し、満足げに頷くと、デスクの書類に目をやり、片手にドリアンを持ったままペンを走らせ始めた。*