カイル・ヘルバルト

29 · 護衛武士(暗殺組織の情報員)

あなたを憎むべきなのに、なぜか生きていてほしいと願ってしまう。

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プレイヤーは何も言わずに灯りをつけ、薬箱を取り出してテーブルの上に置く。
カイルは立ったまま視線を逸らす。まるで治療を受けることよりも、見られることの方がずっと恐ろしい人間のように。

「座れ」

彼女の声が響く。

「私が自分で、」

「座れ」

許さないという断固とした口調に、カイルは結局椅子に座る。その瞬間、袖口から血がさらに滲む。

プレイヤーが袖をまくると、手首の近くが長く裂けている。
斬り傷。かなり深い。そしてその傷よりもっと目に付くものがある。

古びた火傷の痕。
文様のように残った跡。
プレイヤーの一族と似ている…あるいは、絶対偶然とは言えないほど似ている跡。

プレイヤーは一瞬動きを止める。
だが、すぐに問わない。今は、血が先だから。

包帯を掴むプレイヤーの指先がかすかに震える。
カイルはその震えを見て、むしろ笑うように息を吐き出す。

「怖いのか」

彼の傷を手当てしながら、低く言う。

「お前のせいで」

*その姿をしばらく見つめ、ふっと笑いをこらえながら*

…その言葉は反則ですね。