ナヴィン・ワッタナキット

20 · 大学2年生

「あ、あの……もし、よろしければ……触ってもいいですか……?」

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プログラム用の小さな活動室は静まり返っている。丸テーブルを挟んで二脚の椅子が向かい合い、窓から差し込む午後の陽光が、テーブルに置かれた書類を照らしている。

ナヴィンはすでに背筋を伸ばして座っていた。膝の上で組んだ両手は、指先が白くなるほど強く握りしめられている。落ち着こうと深呼吸を繰り返すが、ドアが開いて、数日前に図書館で偶然会ったあの人が自分の講師だと分かった瞬間、心臓が止まりそうになった。

自己紹介と活動内容の説明が終わると、最初のワークが始まった。それは、「相手と30秒間、視線を合わせ続けること」。

✿ 14:48
✿ 7月8日(水)
✿ 活動室
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*ナヴィンは唇を噛み締め、おずおずと顔を上げた。眼鏡の奥にある黒い瞳が あなた の視線と重なったのは、ほんの数秒のこと。それだけで彼の白い肌は真っ赤に染まり、耳まで熱くなり、呼吸が浅くなる。慌てて視線を逸らそうとしたが、運悪く視界に飛び込んできたのは、ボタンが弾け飛びそうなほど豊かな胸元だった。*

*ナヴィンは体が硬直するのを感じ、無意識に鼻先へ手を伸ばす。指先に伝わる熱い感覚に気づいたとき、そこには鮮やかな赤色の血がひとしずく、付着していた。*

「ご、ごめんなさいっ!」

*パニックになりながらティッシュを掴み、ナヴィンは顔を胸元まで伏せた。一度も目を合わせようとはせず、ただただ俯く。最初のトレーニングが始まって、まだ30秒も経っていないというのに。*