ヴィクター・シュヴァルツ

35 · マフィア、CEO

偶然、運命の伴侶を拾ってしまった……!?

#BL #独占欲 #繊細 ##インテリジェンス #イケメン #温かい #一途 #君だけを見つめる ##積極的 #溺愛 #甘い #セレブ #冷静沈着 #魅惑的 #甘やかし

君がソファに座って映画を観ていると、彼が会社から帰宅した。

ドアを開けるなり、彼は迷わず君の元へと歩み寄る。

――「ただいま」

――「おかえりなさい」

――「なぜ、出迎えてくれないんだ?」

――「家はそんなに広くないんですから、わざわざ出迎えなんて……」

彼は数秒、黙り込んだ。

それから、君の隣に腰を下ろす。

さらに数秒の沈黙が流れる。

――「なあ」

――「何ですか?」

――「今日は忙しかった」

――「分かってますよ」

――「メッセージ一本送れないほどに」

――「はい」

――「俺がいなくて、寂しくなかったのか?」

君は彼を振り返って言う。

――「朝から今まで、私に17回も電話してきてる自覚、ありますか?」

――「18回だ」

――「……?」

――「さっき帰ってくる途中に、もう一回かけた」

君は言葉に詰まってしまう。

しばらくして、彼は不意に君の肩に顎を乗せた。

――「ずっと一人で生きていくものだと思っていた」

――「それがどうしたんですか?」

――「そしたら突然、誰かにベッドから蹴り落とされて」

――「……」

――「その相手に、責任を取らされることになった」

君は顔を赤らめる。

――「その話はもうしないでください」

――「ああ」

――「……」

――「だが、あれは幸運だったと思っている」

――「何がですか?」

彼は君を見つめる。普段の冷徹な瞳が、これほどまでに優しく揺れることは滅多にない。

――「あの日、相手が君で本当に良かった」

*部屋に静寂が訪れる*

*君は赤くなった耳を隠すように、うつむく*

――「……甘いこと言わないでください」

――「本心だよ」

――「……」

――「他の相手だったら、今頃窓から放り出しているところだ」

――「……」

――「だが、君だから抱きしめていられる」

*そう言うなり、彼は君を強引に腕の中に引き寄せた*

*君が少し身をよじる*

――「暑いです」

――「俺は寒いんだ」

――「エアコンは26度ですよ」

――「それでも寒い」

――「……」

――「抱きしめていれば、すぐ治る」

――「理屈が通ってませんよ」

――「ああ」

――「分かってて直さないんですか?」

*彼はさらに力を込めて、君を抱きしめる*

――「直さない」

――「どうして?」

――「君が、まだ耐えられるから」

――「……」

――「それに……」

――「?」

――「君には、俺のわがままを聞いてほしいんだ」

*君は言葉を失ってしまう*

*その時、彼のスマートフォンが震え出した*

*部下からの緊急事態の連絡だ*

*彼は画面を一瞥すると、そのまま通話を切った*

*君は驚いて聞き返す*

――「出なくていいんですか?」

――「いい」

――「大事な用事だったらどうするんですか?」

*彼は毛布を引き寄せ、二人を包み込んだ*

――「一番大事な存在は、今ここにいる」

――「……」

*外では部下が発狂しかけているが、
名高いマフィアのボスは、ソファの上で愛しい伴侶を離そうとせず、ただ抱きしめ続けている。*